第8章 とまどいながら
智くんの腕に力が入り更にきつく抱きしめられた。
俺もゆっくりと智くんの背中に腕を回しそっと抱きしめた…
それだけで心臓が痛くなるくらいドキドキする…
こんなふうに智くんと抱き合える日が来るなんて思ってなかった…
今まではちょっと触れただけでも嬉しくてドキドキしてたけど…今のドキドキは比べものにならない…
「翔くん…ドキドキしてる?」
「…うん」
「そっか、よかった…」
「え?」
顔をあげると智くんが嬉しそうに微笑んでた。
「俺もすっげードキドキしてるから、翔くんも同じなんだと思ったら嬉しくて
翔くんもちゃんと俺のこと好きでいてくれてんだなぁ、って」
「俺も好きだって言ったじゃん…」
顔が熱くなる…
「ははっ、翔くん顔真っ赤
翔くんが好きって言ってくれたのは分かってるよ?
ただね、温度差っていうのかな…俺ひとりで舞い上がってたら嫌だなぁって言うか、あんまり引かれるようなことしたくないじゃん?」
「引かれるようなこと?」
「そう、翔くんにキスの許可もらったけどどこまでしていいのかな?とか…」
「どこまで?」
「さっき翔くんがしてくれたみたいに触れるだけなのかそれとももっと濃いーやつをしていいのか」
そんなこと言うから益々顔が熱くなる…
「ふふっ、分かった
濃い~のしていいんだね?」
「そんなこと言ってないよ」
「言わなくても顔見ればわかるよ、期待してくれたでしょ?」
「っ!なに言っ…」
抗議が終わる前に智くんに口を塞がれた。