第8章 とまどいながら

「はぁ？だってニノいつも相葉ちゃんのこといじめてるじゃん」

「いじめてるって…あれがニノの愛情表現なんでしょ」

「なんだよ、ニノ…相葉ちゃんがニノのこと好きなの分かってたんだろ？
両想いなんだったら俺が相談した時そう言ってくれれば良かったじゃん
そしたら俺だって疑わないで済んだのに」

「それは言えないでしょ」

「なんで？」

「だってまだ相葉くんに『好き』って言って貰ってないんだもん」

「言ってもらってなくてもさぁ別に良くね？」

「良くないよ、確信が欲しいし」

「ふーん、そんなもん？」

「そんなもん！
例えニノが分かってたとしても好きな人にはちゃんと好きって言って貰わないとニノだって不安でしょ」

「あいつがそんなこと思うタイプかぁ？」

「ニノは智くんが思ってるよりも受け身だし繊細だよ？
相葉くんが自分で気持ちに気がついて動いてくれるの待ってたんだよ」

「なんだよ、ニノだって自分から動けてないんじゃん…」

「みんな嵐が大切だからね
俺もだけど最優先事項は嵐を壊さないことなんだよ」

「そうだな…
でもこれで嵐を壊す心配も無くなったし、これからはふたりのことを最優先に考えていいんだな」

なんて笑顔を見せてくれるから恥ずかしくなった。

「翔くん、顔紅いよ」

「だって、急にそんなこと言うから…」

「いいじゃん、今まで言いたいこと沢山あるのに我慢してたんだよ？
これからは遠慮なく言わせて貰うから」

智くんが冗談めいて話すから俺も可笑しくなって

「なにをそんなに言うことあるの？」

って笑って言ったら

「ん～、今一番言いたいのは『抱きしめてチュウしたい』かな？」

そんなことを突然言うから固まった。