第8章 とまどいながら
「あれは俺もびっくりした
体も頭も固まって…智くんが入ってきたのも分からなかったし
気がついたら目の前に智くんがいて…」
「あの時ドアを開けようとしたらニノと相葉ちゃんの話し声が聞こえて…
昨日のこともあったからドアの前でふたりの話し聞いてたの
そしたらニノが『翔さんの唇美味しそう』って言うから慌てて部屋の中へ飛び込んだんだ
その後は阻止するのに必死だったよ」
智くんが照れ笑いをする。
「そうだったんだ
でも、智くんが慌てなくても相葉くんが止めただろうけどね、ふふっ」
「だな…
でも俺、相葉ちゃんがニノのこと好きだなんて知らなかったから
仲はいいと思ってたけど、友達としてだと思ってて
それ知ってたら翔くんと相葉ちゃんの仲も疑わなかったのに…」
そう言ってまた情けない顔をする。
「だから、その件はもう終わりにしよってば」
「だって、俺リーダーなのにメンバーが誰を好きなのか分かってなかったんだよ?
みんなのことちゃんと見てるつもりだったのに…」
「しょうがないってば、俺も必死に気持ち隠してたし、相葉くんは自分でも分かってなかったし、ニノはあの性格だから隠すの巧いし」
「え?ニノって好きな人いるの?」
「え?まだ分かってないの?」
「うん…そしたら相葉ちゃんどうなんの?」
「いやいや…ニノが好きなの相葉くんだから…」
智くんが驚いた顔をする。