第8章 とまどいながら
「翔さんのことはしょうがないですよ
私も気が付かなかったし
翔さんの方が上手だったってことですよ」
「ニノも知らなかったの?」
「翔さんの気持ちを知ってたらもっと早くなんとかしてましたよ
大野さん何年間片想いしてると思ってるんですか?」
「全然分からない
知ってたらニノとのこと疑わなかったし」
「まあ、そうですよね
あの人もう10年以上、翔さんのこと思ってますよ」
「えっ?10年以上⁉
全く分からなかった」
「でしょ?
10年以上って言うけどそれだって正確な数字は分からないですからね?
本人ですらいつから好きなのか分からないみたいなんで」
「いつからか分からないって大ちゃんらしい
でもそんなに想い続けてたんだ…」
「だからそろそろ限界だったんですよ
同じ人を想い続けてるのに自分から告白も出来きずに気を揉むばかりで
しかも相手はあの翔さんですよ?いつ誰に声をかけられてもおかしくない」
「確かにそうだね」
「今回は勘違いとはいえ相葉さん相手ですから
一番身近なメンバーと付き合われたらさすがの大野さんもどうなるか…」
「大ちゃんて気持ちが乱れることあるのかな?
想像つかないんだけど」
「相葉さんは知らないから
あの人翔さんの事となるとキレるんですよ」
「えっ、そうなの?
あ~、でもそうかぁ、昨日の大ちゃん怖かったもんな~」
「そうなんですよ
今までは翔さん狙いの人たちに向けられたものが昨日は翔さん本人に向いちゃったんで…」
「やっぱり翔ちゃんには悪いことしちゃったなぁ」
「そうですね、翔さんは被害者もいいとこです
だからあなたと大野さんは反省が必要だなと」
「…反省してるよ」
俯いてしまった相葉さん。
「もういいですよ
後は大野さんが反省して翔さんにちゃんと気持ちを伝えられれば…」
「うん、大ちゃんなら大丈夫だよね?」
「大丈夫じゃなきゃ困ります
私の作戦が水の泡になるので」
そう言って笑ったら相葉さんが
「ニノは作戦立てすぎ」
って苦笑いした。