第8章 とまどいながら
<ニノサイド>
楽屋から出ると間もなく俺を呼び止める声が聞こえた。
「ニノ待って!」
歩みを止めゆっくりと振り返ると相葉さんが走り寄ってくる。
「なんですか?相葉さん」
にっこりと笑うと相葉さんは真剣な顔をして俺を見つめる。
「ニノ、俺もニノと話がしたい」
「もう話すことはないと思いますけど?
さっき言いたいことは全部言ったでしょ?」
「まだだよ、まだ話したいことある」
「なんですか?」
「こんなところじゃ話せないよ…」
「相葉さんの気持ちはもう聞きました
それ以外の話で人に聞かれて困る話なんてないと思いますけど?」
「俺の気持ちは言ったけど、ニノの気持ち聞いてないし、それ以外にも聞きたいことあるから…」
「私の気持ち?
相葉さんには関係ないでしょ」
「教えてよ、俺ニノのこと傷つけた?」
「なに言ってるんですか?」
「ニノと大ちゃんの仲を疑ったからニノ呆れたんだよね?
俺に疑がわれたこと悔しいんじゃないの?
ごめんね、一番近くにいたのに疑って…
ニノはずっと信じてくれてたのに」
「私がいつあなたのことを信じてるって言いました?」
「昨日、大ちゃんが言ってた
ニノが翔ちゃん追ってトイレ行ってたとき、『ニノはずっと相葉ちゃんと翔くんの仲を否定してたのに、俺はそれを聞かなかった』って凄く反省してた」
「だからって相葉さんを信じてることにはなりませんよ?」