第8章 とまどいながら
「あなたそれ私に直接聞きました?」
「…聞いてない」
「ですよね?
伝えることもせず、勝手に勘違いして落ち込んで翔さん巻き込んで
なにやってるんですか?」
「…だって、知らなかなかったんだよ」
「何を?」
哀しそうにニノを見つめる相葉くん。
ニノも相葉くんをしっかり見つめる。
「…ニノが他の人と一緒に居る所を見ることがこんなに苦しいなんて…」
「ふ~ん、それで?」
「それで俺、ニノのこと好きなんだって気がついて…」
相葉くんをじっと見つめていたニノが呆れたように言った。
「遅いんですよ…」
「だって!まさかメンバーを。しかもずっと一緒にいたニノを好きだなんて思わないじゃん」
「私は分かっていましたけどね…
あなたが私のことを好きなのは」
「へっ?なんで?」
「なんで?
そんなの一番近くであなたのこと見てたんだからわかりますよ
逆にあんなに近くにいたのになんで大野さんとの仲を疑われたのかが分からないんですけど?」
「それは…」
「私、大野さんとイチャイチャしてました?
たとえばこんな風に…」
ニノが体を起こし、俺の顎に指を添えニノの方を向かされた。
「ニノ?」
何をされるのかと不思議に思ってると
「翔さんの唇ふっくらしてて美味しそう…」
と言って顔が近づいてきた…
固まる俺の耳に入ってきたのは楽屋のドアが開いた音と『ニノ!』と叫ぶ焦った相葉くんの声。