第8章 とまどいながら
<翔サイド>
ニノは撮影中もいつもより距離感が近くて…
撮った写真のチェックをするときも俺の肩を抱いて『やっぱり翔さんは格好いいですね』なんて言ってくる。
智くんと相葉くんがこちらをチラチラと見てなにか言いたげなんだけど、ニノが気になって近づいて来られないみたい。
相葉くん、ごめんね…
俺もニノが何を考えてるか分からないから話に乗っちゃったけど、相談相手の俺がニノと付き合い出したなんてショックだよね…
今は、ニノの言葉を信じるしかないんだけど…
ほんとにこんなことして何の意味があるんだろ?
撮影が終わってからもニノは俺の腰を抱いて控え室まで歩くし…
「さぁ、翔さん帰りましょ」
「ふたり一緒に帰るの?」
松潤に聞かれても
「当たり前じゃないですか~
こんな可愛い恋人が出来たんですよ?
ひとりでいる必要ないですよね~」
って、俺の肩を抱き寄せて首筋に顔を寄せる。
相葉くんを見ると諦めたように俯いたまま。
智くんも眉毛を寄せて唇を噛み締めてる。
「それじゃ、お先で~す」
と言って歩き出したニノに腕を引かれたから
「…お疲れ」
と言って俺も歩き出した。
「お疲れ~」
後ろから聞こえてきたのは松潤の声だけだった。