第8章 とまどいながら
「だってそうでしょ?
今回一番の被害者は翔さんなんですから」
「だからってなんでニノが翔くんのこと」
大野さんも慌てて聞いてきた。
「ふふっ、だって泣いてる翔さん、と~っても可愛いんですもん
守ってあげたくなっちゃいました
だからね、翔さんはもう私のモノなので手出さないでくださいね?」
「ほんとなの?翔ちゃん」
相葉さんが疑うように翔さんに聞いた。
翔さんは答えに困ったみたいだけど『翔さん』って小さな声で呼び掛けると分かってくれたみたいで
「…うん」
と俯いて小さな声で答えた。
「と言うことで、この話しは終わり
さぁ、着替えて撮影行きますよ」
着替えを終えるとまた翔さんと腕を組みスタジオに向かった。
「…ねぇ、ニノ
こんなことしてなにか意味あるの?」
翔さんが心配そうに聞いてきた。
そりゃそうだよな、翔さんにしたら大野さんに誤解させちゃうんだから。
「心配しないでください
翔さんに悪いようにはしませんから」
「俺の事はどうでもいいよ
俺は嵐が壊れさえしなければ」
「翔さんらしいですね…
大丈夫ですよ、私だって嵐は大切なんですから
私のこと信じられませんか?」
「ううん、信じてるけど…」
「そんなに長引かせませんから
ただやっぱりね、あの情けないふたりにちょっとお灸を据えたいので」
そう言って笑い掛けると翔さんは少し呆れた感じで
「ニノは敵に回したくないなぁ」
って呟いた。