第2章 Kiss からはじめよう
「あぁ、だから楽屋に寄ってないんですね?」
「えっ?」
「寄ってないんでしょ?
翔さんに会ってないんだから」
「…あぁ、…うん」
「……」
「あっ、そろそろ着替え行かないと」
相葉くんが時計を見る。
「あ~、ほんとだ
さぁ、気合い入れて行くかぁ!」
松潤が勢いよく立ち上がった。
「着替えに気合いは要らないだろ?」
「いや~、今日は全てのことに気合い入れないと動けなそう」
「なに?松潤調子悪いの?」
事情を知らない智くんが心配そうに聞く。
「昨日飲み過ぎた…」
「昨日じゃなくて、今日ですけどね?」
「気を付けろよ~、もう若くないんだから」
「おじさんに言われてますよ?」
クスクスとニノが笑う。
「ん~、でも今日は言われてもしょうがない
自分でも年取ったと思うわ…
前だったら徹夜でもいけたもん」
「松潤メイク最後にしてもらう?
もうちょい休んでたら?」
相葉くんが気を使って提案した。優しいな~。
「いや、今寝たら逆に起きられない
深い眠りに入ったら誰も俺のこと起こせないでしょ?」
「確かに
眠りのタイミングによっては全く目が覚めないよな?
俺もさっき起きられなかった」
「あ~、だからぼーっとしてたんですね?」
「うん、目開けたくても開かないの」
「一人で寝てたんだから無理に起きることないでしょ?」
「…まぁ、そうなんだけど…」
何となく答えに詰まった。