第8章 とまどいながら
「翔さん、話の内容は私からは言えません
でも、大野さんが翔さんに話せなかった理由は翔さんを信頼してないからではないですよ?」
「でも夜遅くまで話してたんでしょ?
そんな大切な話をニノには出来て俺には出来ないんだからニノの方が頼りにされてるんだよ…」
「確かに話の内容は大野さんにとっては重要事項です
それを翔さんに話せない理由も私には分かります
だから大野さんを信じてあげてください
大野さんにとってあなたは一番信頼されてる人間ですよ?」
「…ほんとに?」
「えぇ、本当です
私の言うことを信用してください」
翔さんの手を握って微笑んだ。
「…うん、でも俺智くんの信頼裏切ったよね
こんなミスするなんて…」
そう、今回の騒動の原因となったキスマークをなんで翔さんは付けてるんだ?
「翔さん、ひとつ確認したいんですけど、翔さんと相葉さんは付き合ってないんですよね?」
「うん、そんな話しもしてたけどまだ付き合ってはないよ」
「え?話しはしてたんですか?」
「あ、うん…ニノと智くんが付き合ってたら俺たちも付き合わない?って」
「で、そのキスマークは?」
「…相葉くんがふざけてつけた」
「はぁ~、まったくもう、余計なことを…」
あのふたりには罰は受けていただきましょ。
こんなに可愛い翔さんを泣かせたんだから。
「ねぇ、翔さん、今日このあと時間あります?」
「うん、これが終われば後は何もないよ?」
「じゃあ、家に来てください。話しましょ?」
「話し?」
「そう、色々聞きたいことがありますし」
「分かった、いいよ」
「では、仕事に行きますか?」
「あ、みんな待たせてるね、急ごう」
「はい」
翔さん、大野さんを手に入れるのはちょっとだけ待ってくださいね。