第8章 とまどいながら
控え室に戻ると潤くんも来ていた。
「おはよ、リーダー、ニノ」
「おはようございます」
「おはよ」
「ふたりでどこ行ってたの?」
「トイレ」
「随分長くね?
おたくら最近よく一緒にいるけどなにかあるの?」
潤くんが疑うような目で見てくる。
「なにもないですよ?」
「ふ~ん、そうかぁ
なんかコソコソしてて怪しいんだけど…」
コソコソしてて怪しい?そんな風に見えてるんだ。
翔さんと相葉さんに視線を送ると相葉さんに視線をそらされた。
相葉さん?なんでそんな哀しそうな顔してるの?
その場の空気が重くなった…
「さぁ、そろそろ着替えよっか?」
その空気を破るように翔さんが微笑んで相葉さんに声をかけた。
「うん」
相葉さんが哀しい顔を堪えるように微笑み返した。
翔さんと相葉さんが着替えを始めると潤くんも続いて着替え始めた。
俺と大野さんもそれに続いて着替えようとしたら潤くんが驚いたような声をあげた。
「翔くん、それ?」
「え?」
「あ!ごめん、翔ちゃん」
潤くんと相葉さんの視線を追うとそこには着替え終わった翔さんの首元。
襟の広いシャツの隙間から見える紅い痣…
「それって、キスマークだよね?」
潤くんがニヤニヤしながら翔さんに聞いた。