第8章 とまどいながら
「ねぇ、大野さん。何か勘違いしてると思いますけど?」
「あんな会話してるのに?」
大野さんが苦笑いした。
「ええ、私にはどうしてもあのふたりが付き合ってるとは思えません。」
「もう、いいよ…
相葉ちゃん相手じゃ俺の出る幕ないし」
「大野さん、やっぱり翔さんに気持ち伝えた方がいいですよ?」
「相葉ちゃんがいるのにか?」
大野さんが俺のことを見るから俺はしっかりと大野さんの目を見つめ返した。
「それでもきっちりケジメつけないと…
じゃないとあなたが前に進めませんよ?
嵐壊したくなくて今まで頑張って来たんでしょ?
今のままのあなたじゃ嵐の足を引っ張りかねない」
大野さんは俺から視線を外し足元をじっと見つめ考え込んだ。
「…そうだな、いつまでもこのままじゃ駄目だよな」
「そうですよ
嵐はまだまだ続くんですから
翔さんに振られたら私がいくらでも慰めてあげます」
「お前、いい奴だなぁ」
「ふふっ、今更ですか?
そんなの前から分かってましたけど?」
「調子に乗るなや!」
大野さんが俺の髪をワシャワシャとかき混ぜた。
「やめてくださいよ」
大野さんの手を押さえると大野さんが立ち上がった。
「んじゃ戻るとするか」
「戻りましょ」
ふたりで並んで歩き出した。