第8章 とまどいながら
「ねぇ、翔ちゃん
やっぱりあのふたり付き合ってるんだよね?」
「まだ決まってないでしょ?」
「そうかなぁ…だって今朝の話し…
寝かせて貰えなかった上にしつこいなんてさぁ…」
確かに智くんに対してしつこいなんて表現することあまり無いのはないよなぁ。
「やっぱりそういう関係って事だよね?」
「そういうって?」
「もう、言わせないでよ~!
口に出したら泣いちゃいそうだよ俺…」
「…ごめん」
抱きついたままの相葉くんが俺の首筋に顔を埋めた。
「痛っ!なに⁉」
へへっと笑った相葉くんがいたずらっ子のような顔をしてる。
「キスマークつけちゃった」
「なにしてんだよ!」
「だって翔ちゃん意地悪するから」
「だから謝っただろ?」
「やだ、許さない…」
「じゃあ、どうすればいいの?」
相葉くんは急に真面目な顔になった。
「…チュウしていい?」
「え?それは嫌だよ」
即答した俺に拗ねた顔をみせる相葉くん。
「え~なんで~?前にしたじゃ~ん!」
駄々っ子のように相葉くんが騒ぎ出した。
「あれは仕事でしょ?
プライベートは嫌だよ」
「だって俺と付き合ってくれるんでしょ~?」
「それはあのふたりが付き合ってたらでしょ?」
「ほぼ決定じゃん!」
「まだ確定してないじゃん」
「ケチー!いいじゃんキスくらい」
「良くないよ
それであのふたりが付き合ってなかったらどうすんの?」
「むぅ…だって…」
俺は相葉くんの頭を撫でて
「自棄になるなよ…
きちんと答え出そ?
それからだったらしていいから…」
「ほんと?」
「ほんと」
そう言って笑ってやったら相葉くんも笑顔になった。
「ちゃんと約束守ってよ?」
「わかってるよ」
あのふたりが付き合ってたら、その時は俺も…