第8章 とまどいながら
<ニノサイド>
番組の収録が終わると翔さんと相葉さんが一緒に楽屋を出ていった。
大野さんはまたソファーで横になっている。
「ニノ~、今日もニノの家行っていい?」
「嫌です」
即答すると眉毛を下げて
「だよなぁ…」
大野さんの気持ちは分かるけど、毎回付き合わされる身にもなって欲しい。
今朝、ふたりが抱き合っているのを見てショックを受けたんだろうけど…
でもあれは恋人同士と言うよりも子供をあやす親みたいな?
最近、相葉さんが翔さんにやたら甘えてるんだよなぁ…
仕事終わりで一緒に帰ることも増えたし。
それが大野さんを落ち込ませてる原因なんだけど…
「翔さんに直接聞いてみたらいいじゃないですか」
「…なんて聞くんだよ?」
「『相葉ちゃんのこと好きなの?』でいいんじゃないですか?」
「聞いてどうすんだよ?」
「でも気になるんでしょ?」
「……」
「だから早く気持ち伝えれば良かったんですよ」
「それは無理だよ…」
「翔さんを悩ませたくないっていう大野さんの意見は分かります
でもね?いつまでこの状態を続けるんですか?
今回、相葉さんと付き合ってないとしても今後翔さんを狙ってくる人なんていくらでもいると思いますけど?
その度に私が全然進歩のないあなたのお悩み相談受けるんですか?」
「ごめん…分かってんだよ、俺が悪いのは…
でもどうしても一歩が踏み出せない…」
「ほんとに、この件に関してだけはどうしようもなくビビりですよね」
何度同じことを言っても大野さんの気持ちは動かない…だから昨日はなかなか眠れなかったんだ。
気持ちを伝えることで翔さんを悩ませたくないし、それ以上に自分のせいで嵐が壊れるのが怖いと言う。
なんだかんだ言ってもやっぱりリーダーなんだよな…