第8章 とまどいながら
ガチャ
「まだふたり残ってたんだ」
「あぁ、潤くん
打ち合わせ終わったんですか?」
「終った、ふたりはなにしてんの?」
潤くんは荷物を片付けながら聞いてきた。
「特に何も。もう帰りますよ」
「なぁ、松潤、今日飲み行かね?」
「リーダーが珍しいな
いいよって言いたいところだけど、ごめん今日は先約あるんだ」
潤くんが申し訳なさそうに手を合わせた。
「そっかぁ、残念…」
「ニノと行けばいいじゃん」
「今日は駄目なんだと」
「ふ~ん、だから俺なんだ?
翔くんか相葉くん誘ったの?」
「あのふたりは一緒に帰っていったので誘ってないですよ」
「誰もいない訳ね」
「…もういいよ、ちょっと飲みたかっただけだし」
「悪いね、また今度誘ってよ
じゃ、俺行くから、お疲れ!」
「おぅ、お疲れ~」
「お疲れさまでした」
潤くんが出ていった後、大野さんも立ち上がり荷物を手にした。
「しゃあない、今日は大人しく家に帰るか」
「そうしてください
とりあえず今はまだあのふたりは大野さんが心配するような仲じゃありませんから」
「なんで分かるんだよ?」
「相葉さんから翔さんが好きなんて聞いたことないですし
大体、どう見ても恋人同士には見えませんよ?
でも早くなんとかしないとこの先はわかりませんけどね?」
「脅しかよ」
苦笑いする大野さん。
「事実を述べてるだけです
逃げて後で後悔しないでくださいね?」
そう言って楽屋を後にした。