第7章 turth
結局、翔くんは野菜を洗うことしかできなかったけど一緒にキッチンに立ってるだけで幸せだなぁ。
翔くんの為に料理をする日が来るなんて思ってもみなかった。
翔くんの口に合うかなぁ…
いつもみたいに頬張って食べてくれるかな…
翔くんの食べ方小動物みたいで好きなんだよねぇ。
「さぁ、出来たよ
あっちに運んで食べよ
翔くん、ビールでいい?」
「うん!」
翔くんにビールを渡し料理を運んで隣同士に座る。
「凄いね、智くん料理するの魚だけじゃなかったんだ」
「最近は家で作って食べたりするからね
バランス考えてちょっとずつレパートリー増やしてる」
「俺もやろうかなぁ…」
「一緒に作ればいいじゃん、今日みたいに」
「え~、今日なんて野菜洗っただけだよ」
「そこから始めればいいんじゃん?
今までキッチンに立つこともしてないんでしょ?」
「確かにね、じゃあまた手伝いしていい?」
「もちろん!」
缶ビールのプルタブを開けた。
「はい、乾杯しよ」
「うん…乾杯」
「乾杯!」
缶ビールを勢いよく流し込む。
「はぁ~!旨い」
「ふふっ、お疲れさま」
「さっ、メシ食べよ」
「うん、いただきます!」
やっぱり翔くんは俺の作った料理を口一杯に頬張って食べてくれた。
「おいひー!」
満面の笑みで食べ続けてくれる翔くんを見てるとそれだけで心がホッコリするな~。
「なんで笑ってるの?智くん」
口をモゴモゴさせながら話す翔くん。
「だって翔くん超可愛いんだもん」
「ゴホッ!…どこが⁉」
顔が紅いのは食べ物を喉に詰まらせたから?
それとも照れてるの?