第7章 turth
「翔くんってすっごく幸せそうに食べるよね
見てるだけで美味し~って伝わってくる」
「そうかな、意識してないからわからないよ
美味しかったら自然に笑顔になっちゃうでしょ?」
「その自然の笑顔が可愛いんだって」
「も~、そんなこと言われたら食べづらいんだけど」
「わかったよ、もう言わないからいっぱい食べて」
「うん!」
そう言うと翔くんはまた口一杯に頬張って食べてくれる。
俺は翔くんの可愛い顔を摘まみにビールを飲んだ。
「はぁ~、お腹いっぱい、美味しかった
ご馳走さま!」
「お粗末様、翔くんの口に合って良かった」
「凄く美味しかったよぉ、ほんと智くんてなんでも出来るんだねぇ、ふふっ」
「そんな誉めてももう何も出ないよ」
「もう充分だよ、こっちからお礼したいくらい」
そこそこお酒を飲んだせいで顔だけじゃなく首までピンクに染まる翔くん。
瞳を潤ませてソファーに寄りかかって微笑む姿は妙に色っぽくって…
そんなつもりで家に誘ったんじゃないんだけどなぁ…
「…じゃあ、お礼してよ」
「いいよ、なにすればいい?
あ、片付け俺やろうか?」
そう言って立ち上がる翔くんの腕を掴んだ。
「そんなのいいよ」
「じゃあ、なにがいいの?」
「…翔くんがいい」
「…どういうこと?」
首を傾げる翔くんの掴んでる腕を引っ張った。
「こういうこと」
翔くんは俺の胸の中に落ちてきた…