第7章 turth

「だって翔くんだったらもっといい人見つけられるでしょ？」

「……いい人ってなに？どこ基準？」

「え～っと…」

聞き返されて答えに詰まる。

「俺にとって智くんよりいい人っていないんだけど」

翔くん、ちょっと怒ってる？

「この前も言ったけど、智くんじゃなきゃ嵐のリーダーは無理だし、智くんがいたから俺は嵐でいられたんだよ？」

翔くんを見ると少し悲しげな瞳で俺を見てた…

「智くんは自分を過小評価しすぎだよ…
智くんほど凄い人いないんだから…」

そうだ、翔くんが俺を選んでくれた時点で俺が自分を卑下しちゃいけないんだ。

じゃないと選んでくれた翔くんに失礼だよな。

「ごめんね、翔くん
翔くんが俺を選んでくれたのは嬉しいんだけど、俺に翔くんは勿体無いんじゃないかって思っちゃって」

「俺、智くんに勿体無いなんて言われるほどできた人間じゃないよ？
智くん、自分のことは過小評価なのに俺のことは過大評価なんだね」

微笑んでくれる翔くんは綺麗でやっぱり俺には勿体無いんじゃないかと思う…

でも誰にも譲れないんだ。

だったら翔くんに認められる男で居続けよう。

「俺、翔くんに捨てられないように頑張るね」

「なんで俺が智くん捨てるの？
俺には智くん以外の人なんていないんだからね？」

「うん、俺も翔くんじゃないと駄目だ」

そう言って翔くんにチュッとキスをしたら、翔くんはとても嬉しそうに微笑んだ。