第7章 turth
誰にも邪魔されることなく部屋の前まで手を繋いで歩いた。
鍵を開けるのに手を離さなくちゃいけないのが残念…
ドアを開けると翔くんを招き入れる。
「どうぞ、入って」
「…お邪魔、します」
遠慮気味に部屋にあがる翔くん。
玄関の鍵をしめると再び翔くんと手を繋ぎリビングまで歩いた。
ほんのちょっとの距離でも翔くんに触れていたい…
俺ってこんな奴だったんだ。
自分の新たな一面を見つけたな。
このままイチャイチャしたいけどとりあえず飯か…
「翔くん準備しちゃうからそこ座ってて」
ソファーを指さした。
「なにか手伝うよ?」
「翔くんが?」
「ん~、バカにしてる?」
拗ねる顔がまた可愛い。
手伝いは必要ないけど近くにいたいからこっちに呼ぶか。
「バカにしてないよ?んじゃ、お願いします」
って言ったら凄く嬉しそうな顔をした。
「なにすればいい?」
「野菜洗ってくれる?」
「うん!任せて」
時計を外して腕捲りをする翔くんは格好いいなぁ。
可愛かったり、格好よかったり、こんな魅力的な人が俺のこと好きになってくれるなんて…
翔くんは俺のどこを好きになってくれたんだろう?
「ねぇ、翔くん?翔くんは俺のどこがいいの?」
「へっ?」
頬を染め、俺を見る翔くん。
「な、なに、急に変なこと聞かないでよ…」