第7章 turth
<大野サイド>
なにやってんだ、俺っ⁉
翔くんの声で動きが止まったものの見慣れてるはずの翔くんの唇がやけに色っぽい…
なんて思ってたら楽屋のドアが開いて松潤の声が聞こえた。
謝罪の言葉を残し出ていった松潤。
目の前で真っ赤な顔をした翔くんはまた一段と可愛くて、一度は止まった動きがその唇に吸い寄せられるように動き出す…
自分の唇を翔くんの唇に押しあてその柔らかさにびっくりして一瞬だけ触れて離れた。
翔くんの顔を見ると見開かれた大きな瞳。
その表情を見て自分がしたことの重大さに気がついた。
俺、今、翔くんにキスしちゃった…
「っ!ごめん!」
慌てて謝った。
翔くんは真っ赤な顔をしたまま指で唇を触ってる。
翔くんを癒そうと思っただけなのに、なんでこんなこと…
しかも元々は相葉ちゃんに頼まれて翔くんの観察してたのに、翔くんにキスしちゃうなんて…
何も言葉を発しない翔くん…
おこらせちゃったかな…
「翔くん…」
遠慮がちに声を掛けると、ハッとしたように俺を見た。
「翔くん、ごめん、俺…」
もう一度謝罪の言葉を告げた。
「あ、うん、大丈夫…気にしないで」
翔くんはそう言うと体を起こして立ち上がりフラフラといつもの場所へ座って新聞を読み出した。
どうしよう、これって相葉ちゃんへの裏切り行為だよな…