第7章 turth
今まで翔くんのことを可愛いなんて思ったことあったっけ?
いつもしっかりしてて、ニュースキャスターの時はかっこよくて、トーク番組の時は面白くて…
どのシチュエーションでも可愛いなんて無かった。
それともプライベートでの翔くんは可愛いのか?
相葉ちゃんに観察するように言われたけど、可愛い翔くんをもっと見てみたい。
どうすればもっと可愛い翔くんが見られるのかな…
「…あの、智くん、今度は…なに?」
俺は両手で翔くんの頬をそっと挟み込んだ。
「ん~?翔くんのことよく見てみたくなった」
「…どうしたの?」
「なんでだろうね…
今までもちゃんと見てたと思うんだけど、今日の翔くんいつもと違う」
「それは智くんの方でしょ?
変な智くん…」
翔くんがクスクス笑う。
俺が変なのか?
そのクスクス笑いでさえ可愛く見えた。
この距離のせいか…?
翔くんに膝枕なんて初めてだし…
こんな近くで顔をまじまじと見ることもなかった。
「さ、智くんっ⁉」
知らず知らずに翔くんの顔に近づいていた…
翔くんの顔まで5センチをきった所で声を掛けられ動きが止めた。
がちゃっ!
「おは…、わりぃ邪魔した…」
ばたんと閉まるドアの音がした。
今の声は松潤?
そして目の前には真っ赤になった翔くんの顔があった。