第2章 Kiss からはじめよう
『なに?なんで頬っぺた触られてんの?』
更に指で下唇を撫でられた…。
びっくりしすぎて体が固まった。
『えっ?なに?俺唇荒れてたりしてる?』
寝ぼけた頭だと考えも纏まらない。
そのまま気配が近づいてきて、そっと俺の唇に温かい何かが触れた…
『ふぇっ⁉』
さすがに体がビクッと震え、気配は慌てたように楽屋から出ていった。
ゆっくりと目を開いた俺は唇を指で触れる。
体を起こし、ソファーの背もたれに深く凭れかかり今おきた出来事を思い返す。
『⁉…俺、今キスされたっ⁉』
一気に頭が動き出した俺はパニック状態。
出来事を整理したが、考えれば考えるほど理解できない内容に思考能力が落ちてきた。
焦点も定まらないまま、ボーっとしていると楽屋のドアが開いて、思わずビクッとする。
「あっ、翔さんおはようございます
相変わらず早いですね?」
ニノが入って来た。
クスクス笑いながら近づいてくる。
「翔さん寝てました?ボーっとして?
寝癖ついてますよ?」
「あぁ、仕事してたんだけど、早く終わったから、少し眠ってた…」
ニノが俺の頭に手を伸ばし寝癖を撫でる。
さっき触れられたことを思いだし、顔が熱くなるのがわかった。