第7章 turth
俺たちが楽屋に入るとふたりはいつもの定位置に戻ってしまった。
荷物を置き楽屋を出る為に飲み物買いに行く。
「ちょっと飲み物買ってきますね
みなさん何か飲みます?」
「あぁ、俺は大丈夫かな」
「俺もいいや」
大野さんと翔さんが答えるのを聞いてまぁ君を誘う。
「相葉さんは?」
断わらないことをわかってて敢えて聞く。
「飲む飲む!一緒に買いに行くよ」
そう言ってくれると思ってたよ。
「じゃあちょっと行ってきます」
「いってらっしゃい」
楽屋を出て自販機に行く。
コーヒーを飲みながらまぁ君と今後の作戦を確認する。
誰に聞かれてるかわからないから家から出ると『相葉さん』と『ニノ』呼びに変えるのが俺たちのルール。
「相葉さん、後で大野さんに翔さんのことで得られた情報を聞いてみて」
「オッケー!」
「大野さんが翔さんを意識し始めたのか探るためだからね、内容よりも大野さんの様子を注意してみて」
「うん、わかった」
「さっきのふたりの様子を見ると大野さんにちょっと変化あったかも?ふふっ」
「えっ?もう?そんな早く変わるかなぁ?」
「翔さんの魅力に気がつけばあっという間に翔さんに落ちるよ
元々大野さんにとっても翔さんの存在は特別なんだから」
「そうだね、周りから見ててもわかるのに大ちゃんほんと鈍いよね~?」
「貴方も相当だったけど?
どれだけ苦労したか…」
「そうだった…ごめんね?カズ
今は愛してるからね?」
そっと耳元で囁かれ顔が熱くなるのがわかった。
「かぁわいい~」
にこっと笑うまぁ君…
狡いなぁ、その不意討ちの行動に俺がどんだけ心乱されてるかわかってるの?