第7章 turth
<ニノサイド>
まぁ君と二人で楽屋に向かう。
楽屋の前に着くと中から大野さんと翔さんの話し声が聞こえた。
少し様子を伺おうとしたのにまぁ君はいきなりドアノブを掴み開けようとする。
慌てて止めようとしたけど時すでに遅し。
まぁ君は思いっきり元気よくドアを開けた。
思わず『あいばか』って呟いちゃったよ…
まぁ、まぁ君らしいと言えばまぁ君らしいんだけど。
まぁ君に続いて『おはようございます』と中に入ると頬を紅く染める翔さんと翔さんを見つめる大野さん。
あぁ、勿体無いことをした…
折角いい雰囲気だったのに。
大野さんの中でなにか変化があったのか?
後でまぁ君に確認させないと。
こんなに可愛い人なかなかいないんだから…
早く翔さんの想いに気づかないと誰かに横取りされちゃうよ?
なんて思ったりもするけど、当の翔さんが大野さん意外の人になびくこともないんだろうな。
前に『大野さんに気持ち伝えないんですか?』って聞いたら『智くんは自由が似合うから』なんて笑って言う。
でも、他の人を好きになることも出来ないんでしょ?
だからこそ、大野さんに気づかせる為に今回の作戦を考えた。
ボーっとしているようでよくメンバーのことを見ている大野さん。
なのに翔さんの気持ちにだけ気づいてない。
自分に興味がないせいか自分の事となると途端に鈍感になっちゃうんだよなぁ。
まぁ、翔さん自体が大野さんに気持ちを伝える気が無いから余計に気がつかないんだろうけど。
でも、よーく見てれば翔さんの気持ちはわかるはず。
大野さん、ちゃんと翔さんのこと観察してよ?