• テキストサイズ

片恋 《気象系BL》

第7章 turth


「相葉ちゃん?」

「な、なに、言ってるの?そんなわけないじゃん!
やだなぁ!あは、は…」

「そうだよね?ごめん」

「そ、そうだよ~」

やけに慌ててる相葉ちゃんのことは気になったけど、相葉ちゃんが嘘つく意味もないし。

俺の気のせいだったんだな…

元々仲がいいふたりだからそう見えたのか…

「でさぁ、大ちゃんは好きな人いないの?」

「俺?う~んいないかなぁ」

「そうなんだぁ。気になる人とかも?」

気になる人?気になるってどんな風に?

「ん~、わっかんねぇ」

「そっかぁ。じゃあ今何にも考えないでみて?」

「うん…」

「目瞑って、最初に頭の中に出てきたのって誰?」

頭に思い浮かぶ人…

浮かんできたのは……翔くん?

いやいや、違うだろ?

今、相葉ちゃんと話してたからだよな。

俺は首を横に振った。

「どうしたの?大ちゃん」

「あ、いや、なんでもない…」

「そう?ならいいんだけど
で、誰が出てきた?」

「…誰も出てこない…」

なんとなく翔くんだって言えなかった。

「そっか、じゃあ気になる人も今はいないんだね」


それからしばらく飲んで店を出た。

「じゃあ、大ちゃんよろしくね?」

「おぉ、あんま期待すんなよ?」

「いいよ、大ちゃんのできる範囲で」

終始笑顔の相葉ちゃんと別れタクシーに乗って家に帰った。

翔くんの好きな人かぁ…いるのかなぁ…

とりあえず相葉ちゃんに言われた通り翔くんを観察しないと。

観察なんて小学校の理科でやった以来だな…

なぜか少し憂鬱になりながら車の外を眺めてた。
/ 592ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp