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片恋 《気象系BL》

第6章 君のために僕がいる


「夢じゃないよね?」

翔くんの右手が俺の頬に触れる…

「諦めなくていいんだよね?」

俺に確認する翔くんの瞳には涙が浮かんできた…

「翔くんが俺を必要としてくれるなら…
俺は翔くんの望むことなんでもするって言ってるでしょ?」

翔くんの瞼にそっと口づけると翔くんの目から涙が零れた…

零れた涙を指で拭うと翔くんは恥ずかしそうに笑って

「じゃあ、これからもずっと側にいてくれる?」

「うん」

「いっぱい、いっぱい抱きしめて?」

「いいよ」

翔くんの背中に回した腕に力を込めた。

「キスもいっぱいしてくれる?」

「もちろん」

右手で翔くんの頬に触れそっと口づける。

「…もっと」

翔くんの掠れた声が耳を擽る…

何度も何度も触れるだけのキスを繰り返すと目を潤ませた翔くんは焦れたように

「…さっきみたいなキスがいい…」

「喜んで…」

翔くんの顎に指を添えて唇を少し開かせる…

唇を合わせると翔くんの口内に舌を滑り込ませる。

翔くんは待ちかねたように舌を絡ませてきた…

俺はその舌を優しく吸い上げる。

繰り返される深い口づけに翔くんの呼吸が乱れ始めた。

「んっ、んんっ…」

艶をます翔くんの声に体が疼く…

唇を離すとキスだけで蕩けきった翔くんが上目使いで俺を見つめる…

「…智くん…まだ上書き終わってないよ…
智くんで全部埋め尽くして…」

「翔くんの望みとあらば…」

笑顔でそう答えると翔くんも嬉しそうに微笑んだ。

ソファーの上にそっと翔くんを横たえると首元に吸いついた…

「あっ、ん…」

その声は…

その身悶える姿は…

そしてその誘うような視線は俺の理性の壁を跡形もなく消し去った。

理性をなくした俺は一晩中、余すとこなく翔くんの全てに上書きをしていった…

fin
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