第6章 君のために僕がいる
「えっ?だってそんな様子全然見せてくれなかった」
翔くんは目を見開き驚いてる。
「俺の態度が変わらなかったのは翔くんに触れられる唯一の人間だったから
もしこれで俺まで翔くんに触れられなくなったら翔くんが独りになっちゃうと思って…」
「そんな風に考えてくれてたんだ…」
「うん、結構しんどかったよ?
翔くん日に日に可愛くなるし…
でも今の翔くんを守れるのは俺しかいないって自分に言い聞かせて耐えてた」
「ごめんね、智くんにそんな思いさせちゃって…
俺が臆病でちゃんと気持ち伝えられなかったから…」
「それは俺も同じだよ
ずっと前から翔くんのこと好きだったのに好きすぎて逃げた」
「逃げた?」
「そう、考えてることは翔くんに手を出したあいつらと変わらない
翔くんが欲しくて欲しくて、いつまで理性が保てるかわからなくなった
だから他のメンバーとルールを作って無理矢理気持ちを抑えた」
「ルールって?なに?」
「あいつらも絡んでるから詳しくは教えられないけど
でもあいつらを巻き込んででも自分の想いを抑えないと気持ちが暴走しそうで怖かった…」
「智くん…」
翔くんが俺に抱きついてきた。
「嬉しい…そんなに俺のこと想ってくれてたんだ」
そう言って見せてくれた笑顔は今までで一番綺麗だった。