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片恋 《気象系BL》

第6章 君のために僕がいる


翔くんの涙を見てやりすぎたと後悔が押し寄せた。

が、翔くんから聞こえた言葉は予想外なもので…

「…ありがとう、智くん」

そう言って微笑んだ翔くんはまるで花が咲いたように艶やかだった。

「これであいつとのキス、忘れられる」

「ほんとに?」

「うん…こんな激しいキスされたら今までしてきたキス全部忘れちゃうよ」

恥ずかしそうにはにかむ翔くんはとても可愛くて…

「でも、智くんとのキスは忘れられなくなっちゃった…」

少し寂しそうな目をした。

「はぁ、駄目だなぁ、これで最後にしようと思ったのに…あんなキスされちゃったら」

「最後?」

「そう最後。
智くんに甘えるのも最後、智くんを思い続けるのも最後」

「えっ?」

「一ヶ月も一緒にいたのに智くんはメンバーとしてしか俺のこと見てくれなかった
だからもう諦めようと思ったのに…」

「ちょっと待って、それって…」

「気がつかなかった?俺は智くんのことずっと前から好きなんだよ?
でも智くんはそういう目で俺のこと見てくれないでしょ?」

翔くんは悲しそうに俺を見つめた…

目には再び涙がたまり今にも零れそう。

翔くんにそんな表情をさせてしまったのは俺なんだ。

俺が鈍感だから…

翔くんを引き寄せ力一杯抱きしめた。

「ごめん、翔くん。全部俺が悪い」

「なんで?智くん何も悪くないよ?
俺のわがままに付き合ってキスまでしてくれた」

「違うんだ」

翔くんから少し体を離し瞳を見つめる。

「俺も翔くんのこと好きだよ」

ずっと抑えてきた気持ちを翔くんに伝えた…
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