第6章 君のために僕がいる
なんとか翔さんの震えも止まり収録が再開された。
その後のクイズは全くお笑いなしで進んだが、やっぱり奴の手は翔さんの腿に乗ったままで…
腸が煮えくり返るとはこういうことなんだろう。
しかし、当の翔さんが頑張ってるのに俺が収録を壊すわけにいかない。
それに俺以上に大野さんの方が怒っているのに耐えている。
今できることは収録を早く終わらせて一刻も早く翔さんを大野さんの元へ行かせてあげることだ。
なんとか収録が終わり最後の挨拶を残すのみ
「本日のゲストは南田さんでした
ありがとうございました」
「ありがとうございました」
奴も客席に向かって頭を下げる。
これで終わったと思ったのにアイツは翔さんの肩に手を伸ばして抱き寄せた。
「いや~、櫻井くん
益々艶っぽくなってきたねぇ
恋人でもできたぁ?
一度でいいからさぁ相手してよ?」
嫌らしい声で翔さんの耳元で囁く。
あの野郎!
と、思ったときにはすでに大野さんが動いてて翔さんの腕を取り、引き寄せた。
「南田さん、すみません、嵐はお触りなしなんで」
翔さんを腕の中へしまい、奴を睨みつける。
奴は少し驚いたようだったが、
「ほぉ、なるほどねぇ、そういうこと…
じゃあ、しょうがないかぁ崩せそうにないしなぁ」
わるかったね、なんて手を振りながらスタジオから出ていった。