第6章 君のために僕がいる
俺たちも翔さんを連れて楽屋へ戻る。
楽屋へ戻った翔さんは体が震え出した。
ようやく落ち着いてきたのに!アイツのせいで!
「翔くん、ごめん…
助けてあげられなくて…」
翔さんを抱きしめる大野さんは苦しそうで見ていて切なくなった…
大野さんはすぐに気づいたんだ、アイツがしていることを…
でも収録のことを考えて止められなかった。
「さ、としくんは、悪く、ない、よ…
あそこ、で、止める、わけいかな、いから…」
翔さんは震えながら大野さんに笑顔を見せる…
「ごめん…」
それでも大野さんは悲しそうな瞳で翔さんを見つめた…
苦しいだろうな…目の前で好きな人が苦しんでるのに助けてやれない…
あんな奴のせいでふたりが苦しむなんて理不尽だ!
「どうします?」
俺が声を掛けると翔さんは
「大丈夫、最後までやるよ」
笑顔で答えた。
芸能界は縦社会、大物相手に揉め事は起こせない…
この後も収録が再開されても奴はまた翔さんに手を出すだろう…
ならば一刻も早くクイズのコーナーを終わらせないと。
「わかりました
潤くん、相葉さん、今日はおふざけなしでとっととクイズコーナー終わらせましょう」
「「わかった!」」
ふたりが力強く頷いた。