第6章 君のために僕がいる
「さぁ、第二問
南田さん、頑張ってください
それでは、スタート!」
ピンポン!
「おぉ!南田さん早いですね?」
「ここは撮影でよく使う場所なんです
石川県」
「正解です!南田さんあちらの席へどうぞ」
「ありがとう
いやぁ、嬉しいなぁ」
「どんどん行きますよ?第三問、こちら!」
ピンポン!
「二宮さん!」
「福岡~!」
「正解です!」
「やったぁ‼」
隣の大野さんに視線を送ると大野さんは怖い顔をして翔さんの方を見ていた。
大野さん?
翔さんを見ると顔色が悪く表情がない。
アイツまさか!
俺は急いで正解者席へ移動した。
テーブルの下を見ると案の定、奴の手が翔さんの太ももを撫でている。
「なっ…」
俺が声をあげようとしたら翔さんに目で制された。
確かに今声を出したらおかしなタイミングで収録が止まる。
とりあえず俺の試食とコメントまでいかないと…
「二宮さんお味いかがですか?」
「美味しい!今度コンサートで行ったとき皆で食べに行きたいです」
「そうですか、では次…」
ガチャンッ!
「あ~!すみません、コップ倒しちゃった」
「なにやってるんですか、二宮さん」
「一旦止めま~す!」
スタッフの声が掛かりカメラが止まった。
「すみません、南田さん
水掛かっちゃいました?」
「あぁ、ちょっとだけだから大丈夫だよ」
なんて笑顔を見せるがこちらは怒りで演技するのもやっとだ。
一刻も早く翔さんから離したい。
「片付けるので一旦休憩入れます
南田さん、衣装乾かしてください」
スタッフからの指示で南田が楽屋へ戻った。