第6章 君のために僕がいる
スタジオ収録が始まり、奴は翔くんの隣に座った。
「本日のゲスト、俳優の南田さんです」
いつものように翔さんがゲストを紹介する。
「前に別の番組で手料理ご馳走になったんですよ
凄く美味しかったです」
「櫻井くんに喜んでもらえるなんて嬉しいなぁ
いつでも作るから連絡先教えてよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
アイツはニヤニヤした顔で翔さんを見る。
社交辞令に決まってんだろ!
「さぁ、次のコーナー参りましょう
ご当地グルメデスマッチ!」
「さぁ、ここからの司会は吉村がやらせていただきます
本日は南田さんがゲストと言うことで、ドラマのロケであちこち行かれてると思います
映像が流れますのでそれがどこの県か当ててください
正解の方にはその土地の名物を召し上がっていただきます」
「おいおい、ロケって言ったって観光してるんじゃないんだからわからないよ」
「南田さんなら大丈夫です
それでは第一問目スタート」
「え~どこだよこれ?」
南田は文句を言いながら映像を見てる。
ピンポン!
「お?櫻井さん」
「ここはよく知ってます、群馬県」
「正解です!それでは櫻井さんあちらの席にどうぞ」
「やった~!」
翔さんが正解する時を奴は狙っていたんだろう。