第6章 君のために僕がいる
「智くんビール飲むでしょ?」
買い出ししてきた食料を皿に移しながら翔くんが聞く。
「ん~、貰おうかな?」
リビングのソファーに座っていた俺の元にやって来てビールを手渡される。
「はい」
「ありがと」
翔くんは当たり前の様に隣に座る。
プルタブを開け翔くんに向けビールを掲げる。
「お疲れ~!」
「お疲れさま」
グビグビっとビールを流し込む。
「はぁ~、旨い!」
「智くんごめんね…」
翔くんが悲しそうな目で見る。
「何が?翔くんが謝ることなんて何もないでしょ?」
「でも…やっぱり迷惑だよ…
昨日から智くんに頼りっぱなしで…」
「ふふっ、いいんだよ
今まで翔くんに頼りっぱなしだったんだから
こんな時くらい頼ってよ」
「そんなことない!
普段から智くんを頼りにしてるよ?」
「翔くん?」
「智くんはわかってないよ…
俺はずっと智くんに支えられてた
智くんがいなかったら今までやってこられなかったよ…」
そんな風に翔くんに思われてたなんて…
嬉しく思うのと同時に益々翔くんの信頼を裏切れない…そう思った。
俺は翔くんの為に翔くんへの想いを閉じ込めよう…
同じグループのメンバーとしてこれからも翔くんを支えて行こう…
それが君の一番近くにいられる方法だから…