第6章 君のために僕がいる
翔くんのマンションに着いても翔くんは起きなくて、可哀想だけど車で寝かせておけないし…
「翔くん?マンション着いたよ?」
「…ん、」
ゆっくりと瞼を開き寝ぼけ眼で俺を見つめる翔くんは色っぽくて…
いつから翔くんはこんなに艶っぽくなったんだろう…
俺が翔くんを好きになった頃は色気なんて感じたことなかった。
数年前から今までと違う色気を放つようになり、正直焦りを感じた。
このままだと翔くんを襲ってしまいそうで…
昨日翔くんを襲ったアイツと大差ないんだ…
4人でルールを作ったけど本当の理由は自分の気持ちを抑えるため。
翔くんに必要以上に近づかないように…
他のメンバーを巻き込んで…狡いんだよ俺は…
「智くん?」
「あぁ、ごめん
部屋に行こうか」
「それでは、明日迎えにきますね?
お疲れさまでした」
「お疲れさま」
「お疲れ」
車から降りマネージャーに挨拶をして部屋に向かう。
ニノから翔くんを任せると頼まれた。
今、翔くんに触れることができるのは今まで築き上げてきた信頼関係があってこそ…
翔くんにとって俺は男としての対象から外されてるからだろう。
だったらこの信頼を失うわけにいかない。
翔くんを怖がらせるようなことはあってはならないんだ…
再確認して部屋へ入る。