第6章 君のために僕がいる
「ニノ?」
大野さんが何か言いたげにこちらを見るけど最初からルールで決まってた。
決めるのは翔さんなんだ。
翔さんがハッキリ言った訳じゃない。
でも、今の状況を見れば一目瞭然で…
俺たちの出る幕なんてないんだよ。
「大野さん翔さんのことよろしくお願いします」
大野さんの目を見つめた。
「…わかった」
大野さんに真意が伝わったのかはわからない。
でも、大野さんももうわかっている。
今の翔さんに触れられるのは、癒してあげられるのは大野さんだけだということを…
翔さんがどんな気持ちで大野さんだけを受け入れているのかはわからない…
愛情ではないのかもしれない。
長年築いてきた信頼関係なのかもしれない。
それでも、唯一の存在が大野さんであることには変わりないんだ。
「翔さん、ゆっくり休んでくださいね」
少しでも翔さんの気持ちが穏やかになるように…
俺は翔さんを笑顔で見送った。
「さぁ、潤くん我々も帰りますか?」
「そうだなぁ、ニノまだ時間大丈夫?」
「まぁ、予定はないですけど」
「じゃあ、飲み行かね?
失恋パーティー」
「ふふっ、まだ決まってませんよ?」
「ん~、強気だな?
けど、付き合えよ
飲みたい気分」
「相葉さんも呼びますか?」
「そうだな、今日のこと報告しとかないと後で剥れられてもな」
「そうですね」
でも相葉さんだってわかってる。
あのふたりの間に入る余地なんてないことは…