第6章 君のために僕がいる
番組の収録をスタジオの隅で観ていると潤くんが来た。
「どう?翔くん」
心配そうに聞いてきた。
「今のところ順調です
このまま座ってトークで終われば…」
ただ心配なのは今日のゲストが以前から翔さんのことを舐めるように見る大物俳優で…
俺たちの中ではブラックリスト入りしてる人だった。
よりによってこんな日に…
『…と言うことで、本日は南田さんが料理を作って来ていただいたと言うことなんですが…』
有吉さんがそいつに話を振った。
『ええ、櫻井くんの為に作って来ました』
『では、お願いします』
テーブルセットが用意され料理が運ばれてきた。
翔さんが椅子に座り料理を口にする。
『どう?櫻井くん?』
アイツの手が翔さんの肩に乗った。
『えぇ、お、いしいです…』
翔さんの顔がひきつる…
やばい、翔さんの顔色が青くなっていく。
でも、収録中に入って行くわけいかないし…
『ご馳走さまでした、美味しかったです』
『櫻井くんに喜んで貰えて良かったよ』
ニヤっとイヤらしい顔で翔さんに笑いかける。
なんとか収録が終わり南田が翔さんと有吉さんと話している。
これ以上翔さんをアイツの近くに置いておけない。
「潤くん、翔さん連れて帰りましょう」
「ああ、そうだな」
足早に翔さんの元へ行った。
「あれ?松本くん、二宮くん来てたの?」
有吉さんに声を掛けられて潤くんが挨拶する。
「いつも櫻井がお世話になってます
この後仕事が入ってるんで櫻井連れて帰りますね」
「あ、そうなんだ
まだ仕事残ってるなんて大変だね~
お疲れさま」
「お疲れさまです」
「さぁ、翔さん行きましょ」
「あぁ、わかった
すみません、お先に失礼します」
翔さんがお辞儀をしてその場を離れた。