第6章 君のために僕がいる
この後大野さんは別の雑誌の取材が入っていて翔さんとは一緒にいられないらしい。
「ニノ、今日はもう終わりなんでしょ?
翔くんに付いてて貰えるかな?」
「大丈夫ですよ?
私でお役に立てるかわかりませんけど」
「事情を知ってる人が付いてた方が翔くんも安心するでしょ?
「…うん、ごめんねニノ、お願いしていい?」
「翔さんが望むなら喜んで」
微笑みかけたら翔さんが安心したように笑い返してくれた。
翔さんの負担を少しでも減らしてあげないと…
翔さんの次の仕事は翔さんの冠番組だ。
ゲストも迎えるけどトーク番組だから人との接触はないな…
触られなければなんとかなるだろう。
翔さんが準備をしている間に潤くんへ電話を掛けた。
「もしもし、潤くん?」
『ニノ、なんかあった?』
「午前中翔さんと雑誌の撮影だったんですけど私が触れたら翔さん震えだして」
『え?ニノでも駄目なの?』
「はい…」
『で、どうした?』
「大野さんが付いてきていたので大野さんが落ち着かせてくれました」
『リーダーが?』
「はい、夕べも魘されたみたいで」
『じゃあ、なに、リーダー夕べから翔くんに付きっきり?』
「そうです」
『そっか、で、今は翔くんどうしてるの?』
「テレビの収録に来ています
本番はこれからですけど」
『ニノが一緒にいるの?』
「大野さん雑誌の取材なんです
翔さんに何かあった場合私では駄目なんですけど、誰もいないよりはいいのかなと思って」
『そうだな、俺も今近くにいるからそっち行ってみるよ』
「お願いします」