第6章 君のために僕がいる
上からつけ直した?
「どういうことですか?」
「だから、翔くんが消してって言うけど消すのは無理じゃん、だから上からつけて消してあげたの」
大野さんは事も無げに言うけど俺は触れただけで拒絶反応がでるんだよ?
大野さんがつけた痣だったから…
だから翔さんは平気だったの?
やっぱり翔さんにとって大野さんは特別なのか…
「お待たせ
ごめんね智くん付き合わせて」
着替えを終えた翔さんが大野さんの元へ戻ってきた。
「ううん、ねぇ翔くん、無理してるでしょ?」
翔さんは目を見開いて
「なんで?」
「そんなの見てればわかるよ
メンバーの前では無理しなくていいんだよ?
無理すると余計に辛くなるでしょ?
俺たちの前では翔くんが思ったこと感じたこと素直に出して?
じゃないと助けてあげられないこともあるから」
大野さんが微笑んで翔さんを見ると翔さんの瞳に涙が浮かんできた。
「…ニノに触れられたとき大丈夫だと思ったんだ
でも体が震えだして止められなかった…
休憩した後もなんとか耐えたけど、ほんとは怖くて…」
俯いた翔さんの目から涙が溢れた…
「うん、わかったよ、頑張ったね」
大野さんはそう言ってそっと翔さんを抱きしめた。
大野さんの肩に顔を埋めて泣く翔さん…
どうすれば翔さんの傷が癒えるのか…