第6章 君のために僕がいる
翔くんの隣に座り様子を見るとさっきよりは落ち着いてきたようだ。
マネージャーが楽屋に入ってきた。
「櫻井さん大丈夫ですか?」
マネージャーが聞くがまだ言葉がでない。
「テレビ局側と話して今日のことは表沙汰にしないことになりました」
「なんで⁉」
松潤が声を荒げる。
「肉体的に傷はおってないようなので
このことが表に出ると嵐の名前に傷がつくと判断しました」
「だからって泣き寝入りかよ!」
「いいえ、社長に報告したところ彼には制裁は受けて貰うことになりました
勿論、櫻井さんの前に姿を見せることは2度とありませんから安心してください」
確かに嵐の名前に傷がつくと言うよりも翔くんが男に襲われたという興味本意な目で見られる。
今後この世界で生きていくなら少しの傷でも避けたい。
少し納得できないが妥当な処理だろう。
「わかった」
「リーダー!」
「しょうがないよ
翔くんを好奇の目に晒すわけにいかない」
そう言うと他のメンバーも納得したようだ。
「櫻井さん、今日のところは家に帰ってゆっくり休んでください」
翔くんの瞳には不安の色が残ったままだった。
ひとりにするのは心配だったけど、早く休ませてあげたいのも事実で翔くんはマネージャーに送られて帰っていった。