第6章 君のために僕がいる
「翔くん?」
ガタガタと震える体をぎゅっと抱きしめる。
翔くんの両手が俺の服を握りしめる。
「…さ、とし、く…ん」
翔くんの大きな瞳から涙が溢れてきた。
「もう、大丈夫だから」
そう言ってあげても翔くんの涙と体の震えが止まらない。
受けたショックは相当なものだろう…
ここよりも楽屋に戻った方がいいだろうと思い
「翔くん、楽屋に戻ろう?歩ける?」
立ち上がらせようとするが足に力が入らないようだ。
見ていた松潤が
「俺が連れてくよ」
と言って翔くんに手を伸ばしたけど翔くんが逃げるように身を捩る。
「翔くん?」
俺が呼び掛けても首を横に振るばかりで何も話さない。
「翔くん、いつまでもここにいられないから…」
そう言って再び松潤が手を伸ばすけど
「…や、あっ!」
落ち着いてきた涙がまた流れてきて俺にしがみつく力が強くなる。
「翔さん…」
ニノも何も言葉が出ないようだ。
「いいよ、松潤。俺が運ぶ
翔くん、俺の背中に乗れる?」
翔くんが力なく頷いた。
背中を翔くんの方に向け、おぶって階段を降りた。
楽屋に戻ると相葉ちゃんが心配して駆け寄ってきた。
「翔ちゃん、大丈夫?」
相葉ちゃんが手を伸ばすと翔くんの体がびくっと震えた。
その様子を見て相葉ちゃんの手が止まる。
翔くんをソファーにそっとおろした。