第6章 君のために僕がいる
<ニノサイド>
ほんとに困ったもんだ。
排除しても排除しても次から次へと沸いてくる。
相葉さんと一緒に前を歩く翔さんを見ながら3人で小声で話す。
「あいつもブラックリスト入りだな」
隣を歩く潤くんが忌々しげに呟いた。
「前に仕事した時もやたらと翔さんに話しかけていましたからね」
「もう少し警戒強めるか?」
「今日みたいに5人一緒の時はいいんですけどね
一人の時が心配です」
「ん~、俺マネージャーに話してみるわ」
のんびりとした口調だけど大野さんも心配なんだろうなぁ。
4人の中で最初に翔さんを好きになったのは大野さんだ。
付き合いが一番長いし、ひとりだけ年上だから翔さんを見る目も他のメンバーとは違かった。
下3人はどちらかと言うと頼りになるお兄ちゃんって感じで翔さんを見ていた。
でも大野さんだけは最初から翔さんと対等な立場でいた。
傍から見ても二人の関係性は特別だと思う。
俺たちも大野さんならと思っていたのに当の大野さんが4人で守っていこうと言い出した。
『選ぶのは翔くんだから』なんて言って…
この人もお人好しだよな。
その好意を素直に受け取って俺たちは共同戦線を張った。
俺たち以上に翔さんを大切にできる奴じゃなきゃ認めない!
その思いは4人とも同じだ。