第1章 Two
わかったよ、ニノ。
なんであんなに翔くんとのことをからかったのか。ただからかっていた訳じゃなかったんだな。
ニノだって嵐が大好きで大切なんだ。壊れることを望むはずがない。
最後に送られてきた1枚。
俺の唇に触れ口紅を拭く翔くんの顔は幸せそうに微笑えんでいて、とても綺麗だ。
この表情は演技ではなく翔くんの本心…
いや、撮影中も俺と同じように緊張し、いつなら低い心拍数もだいぶ上がってたよね?
肩にキスをすると肌はピンクに染まってた。
指輪をはめるときも震えてて、キスした時は瞳を潤ませて…
俺と一緒で、撮影中も気持ちを抑えられなかった?
それがニノが伝えたいことだったんたね。
翔くんは普段はグループを引っ張っていくイメージだけど、個人の事となると照れ屋で受け身にまわる。
だから、俺に早く翔くんの気持ち気付いてやれと動いてくれたんだ。
「あれ?智くんまだ帰ってなかったんだ」
翔くんが控え室に帰ってきた。
「うん、まぁ」
「もしかして、待っててくれたの?
他のメンバーかえっちゃったから」
翔くんはそう言いながら自分の荷物から携帯を取り出した。
「あっ、ニノから写真来たんだ
あれ?なんで、グループと個人?」
写真を次々と送り、指が止まった。
翔くんは愛しそうに微笑んだ。
「翔くん、ごめんね」
翔くんが顔を上げ、こちらを見る。
「えっ、何?撮影中の事なら気にしなくていいよ
いい写真撮れたって喜んで貰えたし」
「違う。俺、翔くんのことずっと見てたのに、肝心なところが見えてなかった」