第5章 Don't you get it!
<翔サイド>
「翔くん?起きられる?そろそろ準備して帰らないと仕事に間に合わないみたい」
智くんの手が頭を撫でてくれる。
「…ん、起きる…」
目が覚めて起き上がろうとしたら体が痛くて起き上がれなかった。
「っつー!」
再び布団に突っ伏した。
「翔くん⁉」
「…いったぁい!」
思わす涙ぐんでしまった…
「大丈夫?座れる」
智くんが心配して抱き起こしてくれた。
「ん、なんとか…」
ゆっくり布団の上に座ると
「ニノに聞いてくるから待ってて?」
「えっ?なに聞いてくるの?」
「ちょっとでも楽になる方法」
「やだ!いいよ、恥ずかしい!」
あのふたりに夕べのことがバレるなんて…
「でもあのふたりもう知ってるし、そんなんじゃ仕事にならないでしょ?
そっちの方が大変じゃん」
はっ?今なんて言った?もう知ってる?
「なんで⁉」
「仕事は休めないでしょ?」
「じゃなくてなんでふたりが知ってるの?」
「あぁ、翔くんの声が聞こえたって」
嘘でしょ⁉恥ずかしくてふたりの前に出られないー!
再び枕に顔を埋めた…
「翔くん?大丈夫だよ?翔くんの声色っぽかったって…」
満面の笑みを見せる智くん。
なにが大丈夫なんだよ~!