第5章 Don't you get it!
「何がおかしいの?」
本当にわかってない様子の智くん。
「この状況おかしいでしょ?」
「そう?だって翔くんが誘うから…」
「俺、誘ってないよ⁉」
「そんな顔するから悪いんじゃん」
智くんが拗ねたよう言う。
「そんな顔って?」
「エロ綺麗な顔」
っ⁉なんだそれ⁉
「そんな気持ちよさそうな顔されたらもっと気持ちよくしてあげたくなるでしょ」
ニコッと笑うけどその笑顔もいつもの笑顔ではなくて男らしさを感じた。
黙っていたことを肯定と受け取ったのか、智くんがまた首筋にキスをした。
「だから待ってってば!」
再び智くんを止める。
「なんで?」
「なにしようとしてるの?」
「だから翔くんを気持ちよくするんだってば!」
なぜ止めるんだ、と不思議そうな顔をするけどこっちだって今起きてることが不思議でならない。
「一回落ち着こう?」
智くんの体を押し返し自分も起き上がる。
ふたりで向かい合って床に座り込む。
拗ねた顔をするけど智くんがなにを考えてるかわからなくてでもなんて聞いたらいいのかもわからない…
確かにキスは気持ちよかった、でもその先智くんはなにをしようとしたの?
その先の気持ちいいことって?