第5章 Don't you get it!

「綺麗だよ？翔くんも」

「…へ？」

「ニノに負けないくらい
ううん、ニノよりずっと綺麗だった」

「何言ってんの⁉」

智くんの口から出た言葉が理解できない…

俺が綺麗って？

智くんが立ち上がって俺の方に歩いてくる。

俺の前で止まった智くんを見上げた…

顎に指を添えられ智くんの顔が近づく…

唇が触れそうな距離で囁かれる…

「…もう一度見せて？」

艶を含んだ声と瞳に背中がゾクッとした…

そのまま智くんの唇が俺の唇を塞いだ。

すぐに熱がよみがえり、侵入してくる智くんを待ちわびたように迎え入れる。

なんで智くんとキスしてるんだろうとかそんなことはもうどうでもよくて、ただ与えられる刺激に身を任せた…

「んっ…んんっ…」

激しさを増すキスに体から力が抜け椅子から滑り落ちそうになって智くんに抱き止められる。

そのまま床に横たえられ覆い被さってきた智くんの唇が首筋に触れる…

「あっ！」

ビクッと体が震え智くんの体を押し返した。

「ちょっと待って智くん⁉」

「なに？」

「なにしてるの？」

首を傾げる智くん。

「キスしてるの」

「それはわかるけど、なんで？」

「なんでってなに？」

「いや、おかしくない？」

今更だけどこの状況が理解できない。