第5章 Don't you get it!
「のぼせちゃうね?
そろそろ出ようか…」
まだ離れたくなかったけどふらふらしてきたのも事実で、智くんに支えられてお風呂からあがった。
浴衣に着替え部屋に戻り窓辺にある椅子に座った。
顔の火照りが冷めなくてボーっとしていたら智くんが水を持ってきてくれた。
「はい、大丈夫?」
優しく微笑んで向かい側の椅子に座る。
「ありがと…」
受け取った水を飲んで『はぁー』と息を吐くと少し落ち着いてきて…
落ち着いてきたらお風呂での行為を思い出してしまった…
俺、何しちゃったんだろ⁉
智くんとキスって…
しかも自分から抱きついちゃった…
まだ酔いが覚めてなかったのか…
それとも…
「翔くん?」
呼ばれてビクッとした。
「な、なに?」
「どうしたの?やっぱりのぼせちゃった?」
「ううん、大丈夫…」
「でも、顔赤いよ?」
手で頬に触れると確かに熱かった。
智くんとしたキスを思い出して顔だけじゃなく体も熱くなってた…
「ふふっ、また見たことない翔くん見られたな…」
智くんが嬉しそうに笑った。
「えっ?」
「さっき、今日一の翔くん見られた
あっ!今日一じゃなくて今までで一番かな?」
そうだよね?変だよね?
俺なにしてんだろ…