第5章 Don't you get it!
「…翔くん?」
智くんの声が近くで聞こえる。
「…ん、」
「1度休憩しようって…大丈夫?」
あ、俺あのまま寝ちゃってた?
「ん、大丈…夫…?」
寝ていた頭が覚醒した…
えっ?
顔をあげると目の前に智くんの顔があった。
智くんの肩に寄りかかって寝てたんだ!
慌てて体を起こした。
「ん?」
智くんが不思議そうに顔を見る。
「ご、ごめん!」
「なんで謝るの?」
「だって重かったでしょ?」
「全然大丈夫だよ?」
ふにゃっと笑う。
「でも…起こしてくれればよかったのに…」
「だって気持ち良さそうに寝てたし
寝顔可愛かったし」
「30過ぎのおじさんが可愛いはずないでしょ?
冗談やめてよ」
「いいえ、翔さん、大野さんは本気です」
「寝顔、写真撮ってたもんな?リーダー」
「あっ!お前!言うなよ!」
「え?嘘でしょ?」
「ほんと」
ニコッと笑い、悪びれもせず智くんが言った。
「後で翔くんにも送ってあげるね?」
「いや、いいよ。自分の寝顔送られても…」
「え~!すっごく可愛いく撮れたのに~」
「智くんもういい…」
可愛いを連呼されてさすがに恥ずかしくなってきた。
「翔くん、また顔が赤くなってる
可愛い~」
「もう、いいってば!」
「はいはい、お二人さんサービスエリアに着きましたよ?
1回降りてやすみましょ?」
ニノが止めに入ってくれて助かった。
ようやく智くんの『可愛い』攻撃から逃げ出せた。