第1章 Two
セットに案内され、カメラマンさんが指示をくれる。
「今回は、櫻井さんが動きづらいとおもうので、ポージングはこちらから指示出しますね」
あぁ、助かった。こんな状態で自分の意思で翔くんと絡むなんてできないよ。
言われたことなら、やるしかないもんな。
「じゃあ、始めますね」
カメラマンさんがレンズを覗き込む。
「最初、腕組んでみましょうか」
翔くんが俺の腕に腕を絡ませる。
ヤバい。指示だとしても緊張する。
「お二人とも、もう少し表情柔らかく」
俺だけじゃなく、翔くんも?
「はい次。大野さん、櫻井さんの腰に腕回して」
できるだけそぉっと腰を抱く。
心臓が破裂しそうなくらい心拍数が上がる。
「いいですよー。じゃあ、大野さん後ろから櫻井さんのこと抱き締めて」
はぁっ⁉無理だよ!
取り敢えず翔くんの後ろに立った。
が、翔くんの後ろに立つと俺より背の高い翔くんの肩が目の前に。
白く滑らかな肌…さっき松潤が触っていた肩。
何度もこの肩に松潤は触れたんだ…
そう思ったら無意識に手を伸ばし、その素肌の肩に口づけていた。
一瞬、ビクッと揺れる肩。そのまま唇を背中に下ろし松潤が触れた部分を消毒していく。
「すみません、大野さんの顔隠れちゃうんで、櫻井さん少ししゃがんで貰えますか」
カメラマンさんの指示に従い少し低くなる翔くん。
俺は、腰に手を回し腕に力を入れ抱きしめた。