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片恋 《気象系BL》

第4章 Be with you


「智くん?そろそろメイク行くけど…」

結局眠れなかった…

翔くんの声で体を起こす。

「大丈夫?まだ怠そうだね?」

「…大丈夫」

ぼそっと呟いた。

翔くんが掛けてくれた上着を手に取り目も合わさず突き返す。

「…ありがと…」

「あぁ、うん…」

翔くんは受け取りながら俺の顔を覗き込む。

「ねぇ、やっぱりなにかあった?」

そりゃそうだろうな、寝不足くらいでこんな不機嫌になることなんて今までない。

実際理由は別だし…

でも恐くて昨日のことを問いただすこともできない…

全部俺が悪いんだ…

勝手に翔くんを好きになって、嫉妬してる。

「智くん?俺には言えないこと?
悩みとかなら聞くけど?」

「翔くんには関係ないから!」

ちょっと強めに言ってしまった…

しまったと思ったけどすでに口から出てしまった言葉を取り戻せない…

翔くんの顔を見ると今にも泣き出すんじゃないかってくらい傷ついた顔をしていた。

なにやってんだろ…

翔くんを傷つけたい訳じゃないのに…

自分で自分を殴ってやりたい!

「…ごめんね?
余計なことに口出して…」

違う!翔くんが謝ることなんて何もないんだ!

でも何をどう言ったらいいのか分からない…

「俺、トイレ行ってくる」

翔くんが楽屋から出て行った。

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