第4章 Be with you
店に入って店員に告げると松兄たちがいる個室に通された。
すでに松兄と竜さんが来て飲んでいた。
「おー、来た来た」
「お疲れ~松兄、竜さん」
「遅いよ大ちゃん!」
「ん~、ごめん」
松兄の隣に座った。
「なんだ?元気ねぇなぁ?」
松兄は人のことよく見てんだよな~。
「そんなことないよ…」
誤魔化してみるけど通用しない。
「悩みごとかぁ?」
「えっ?大ちゃんでも悩むことあんの?」
失礼だな!とは思ったけど確かに普段はあまり悩まないなぁ…
「なに?仕事でトラブルか?」
「いや、なんもないよ」
「じゃあ、女か?」
「……」
なんて答えていいかわからなくて黙ってしまった。
「ほぉ~、大野が女ねぇ」
「そんなこと言ってねぇし…」
「お前分かりやすすぎ!」
「違うって!」
「むきになるなよ、肯定してるようなもんだぞ?」
「……」
松兄には敵わねぇな…
でも相談するにはちょうどいいか、相手の名前出さなきゃいいいんだから…
「…あのさぁ…」
「おっ?話す気になったか?」
「今までなんとも思ってなかったんだけど、急に好きになるとかってあるのかなぁ?」
松兄が驚いたように俺を見た。
「ほぉーほぉー」
「なんだよ?」
「いや、面白いなぁと思って」
松兄がニヤっと笑った。